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2007年11月 2日 (金)

プリンを建築的に食べてみた

Purin

いわく『“プリン博覧会”で人気のなめらかプリン6品を大研究し、
生クリームと卵黄のおいしいバランス(黄金比率)で作りました』

その「黄金比率」がヒジョーに気になる狛犬です、こんにちは。

神の比率とも言われる黄金比。数学的には、φ^2-φ-1=0 の解、
つまり、黄金比φ=1:(1+√5)/2 ≒ 1.618 として表される数字です。

Quad_form

Quad_sol_2
 

その数学的美しさは自己相似という性格に表れるというお話。

Equations_3


1:1.618の黄金比を持った図形を黄金比で分すると
黄金比を持つ相似図形が無限に生成される‥‥

Spiral

分割された図形の対格を曲線で結ぶ。すると自然界では
お馴染みの曲線が表れてくる(→フィボナッチ曲線)

Goldenratio_2

 

ちなみに、前2項の和によって次の項が生成される
フィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13…)の隣り合った数の比は、
1:1、1:2、2:3、・・・、13:21=1:1.615、・・・と、
黄金比1:1.618に近づいていきます‥‥

Pascalstrianglefibonacci_2

 

また、正五角形の一辺と対角線の比が黄金比で、それらの対角線から
黄金比で作られたペンタグラム(五芒星)が作られる‥‥

Pentagram_qBody

こうした黄金比は現代においても名刺やタバコの箱のサイズ、
iPodなど様々な場面で目にすることも多いはず。

Pod

 

古代ギリシャの建築 ▼ 黄金比/神の寸法 ▼ 

黄金比と言えばギリシャのパルテノン神殿が有名ですね。

P1

古代ギリシャ建築が黄金比であったということは、そこに絶対的な美への
希求があったということ。この意味で、古代ギリシャの神殿は「神の目」
で設計されたと言えます。なぜなら、黄金比は図面の上でのみ表れて
くるものだからです。誰が見ても同じに見える静止した視線で引かれた図面と
人が動きながら感じとる実際の空間は異なります。建築に現れる比例関係は
見る人の視線、行為によって常に変化させられるからです。

P2

 

古代ローマの建築 ▼ 都市化/正面性 ▼ 

Foriimperialibig

このように幾何学的完全性を志向した古代ギリシャの神殿は、四方から
見ても“完全な”見え方がされるように設計され、正面らしい正面(ファサード)
は見られません。しかし、古代ローマ時代になり、都市化の時代を迎えると、
建築は正面性を強く出すようになります。これは都市が過密化することで
矮小な敷地に建築するようになったこと、広場(フォルム)や大通りなどの
都市的公共空間の重要性が増したことによります。都市の公共空間の重要性が
高まるほどファサードの持つ都市的意義が大きくなるからです。

391382

 

ゴシックの建築 ▼ より高く、垂直に/柱の空間 ▼ 

Chartres_01_2  Section1_2

キリスト教以降の中世ヨーロッパでは、信仰の中心は神殿から教会へと移行
し、その後キリスト教会はロマネスクを経てゴシックに至るのですが、ゴシック
建築では古代ギリシャの神のスケールが復活します。ゴシック教会堂の特徴は
何よりも高さと垂直性を追求した空間です。キリスト的聖性の心臓部である
祭壇を最奥に配した奥性を強調したプラン、壁は極力そぎ落として光を取り
込み、“聖なる空間”を目指しました。つまり宗教的中心と建物の中心が
一体化した建築です。この傾向を極限まで突き詰めたゴシック建築では、
壁は柱と一体化し、さらに付け柱によって柱としての表現を強化し、
柱以外は全て開口部とも言うべき内部空間を作り上げます。

Cath18 Image033_2

 

ルネサンスの建築 ▼ 人間の視線/構造から意匠へ ▼ 

Grandjean008

ゴシック建築は、言わば宗教的権威のための空間であり、封建社会の性格とも
あいまって非常に閉鎖的です。こうした時代の転機は文化隆盛、ヒューマニズム
のルネサンス時代。「個性」という概念が生まれ、建築家を含む様々な職業人
が生まれたルネサンスでは神の時代から人間の時代への移行とも言えます。

ルネサンス時代では全体的な比例関係よりも聖なる空間(神の視線)よりも
人間の視線が意識された空間になっていきます。構造的な複雑さを極めた
ゴシックを経たルネサンスでは、ファサードは構造の呪縛から解放され、
ファサードと内部空間は分離するようになります。機能重視の内部空間と
都市に向けて奔放な意匠をこらすファサード。建築家をはじめ、芸術家
という職能が確立された時期ということもあり、彼らは様々なファサード
表現を試みました。

Pal19

コーニス(蛇腹)によって階層毎に上下を区画する手法はルネサンスの時期に
確立され、これによって階層毎に異なるデザインが可能となったわけです。
ルネサンスのファサードにおいては、柱は必ずしも構造を意味してはおらず、
デコレーションのパーツとして扱われ、象徴性が意図されます。
また、ファサードをひとつの様式で統一することなく、同一平面にいくつもの
ファサードが入れ子状に重ねられ、ゴシックと異なり奥行きは平面的に表現
されます。奥行きを平面的に表現するということは、建築を見る者に見え方を
委ねていることに他ならず、この路線は遠近法的手法を駆使したバロック建築
へ引き継がれていくわけです。

Barch4 0023


 

と、黄金比率プリンから西洋建築史に話が地球規模で脱線してしまいましたが、
こちらはオチも含めて次回へ続きます。あ、黄金比率プリン、美味しいですよ♪

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コメント

普通に食べようよ。
普通に。

投稿: hsk | 2007年11月 9日 (金) 22時32分

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