カレーライス その1
最近の僕のトートバッグです。
一昔前までは、ネギが飛び出すなんてこともなかったですけども。
ということでしまさくです。
順調に自炊してますよ。
では前回予告した通りカレーを作ります。
最初の工程は
「微塵切りにしたタマネギをペースト状になるまで炒める」
実はこれが最初にして最大の難所でした。
何事もないかのように書かれていますけど、
実際の作業内容はかなり濃い…です。
まず用意する微塵切りだけでタマネギ5玉分!
レシピ上で、人参1本とか、ジャガイモ2個とか書いてあるなかで、
タマネギの個数だけが飛び抜けていたので思わず目を疑ったんですが、
なんでも、
「タマネギがカレーの味になる」
らしく、このカレーにおいてはかなり肝になるのだそうな。
それだけにタマネギだけ力の入り方が他と違った模様です。
結局、まな板を涙で濡らしながら4玉のタマネギを刻みました。
まあ、軽いデトックスにはなったんじゃないでしょうか。
デトックス効果は充分
次に「ペースト状になるまでタマネギを炒める」作業。
さらっと簡単に書かれていますけども
結論から言うと1時間かかります。
さらにその間、焦げつかないようにかき混ぜ続ける必要があるので
半端な作業ではありません…。
文面に漂うお手軽感とは裏腹に
第一工程でかなりの苦難を強いられます。
平日、夜の10時にもなろうというときに、
台所の小電灯を一つだけ灯して
タマネギの入った鍋をひたすら振るい、かき混ぜ続け。
そのストイックさといったら…。
こうなるともう精神修行の域。
熱気で頭が朦朧(もうろう)とし、
走馬灯にリーチがかかっているような、そんな状況です。
どこかのお寺の苦行に
燃え盛る炎の前でひたすら念仏を唱え続ける、
というのがありますが、何だかそれを彷彿とさせますね。
これ
それはともかく、とにかく水分が無くならない!
なにせタマネギ5玉です。
際限なくタマネギより溢れ出る水が
終わり無き戦いを感じさせます。。
体感時間が普段の3倍にも思われるなか
様々なことを考えながらタマネギと戦っていると、
どこからか悪魔の囁きが聞こえ始めます。
「もういいじゃないか、お前はよくやったよ」
コンロの火を消せば楽になる。しかし…。
「タマネギがカレーの味になる」
突如、レシピの言葉が脳裏をよぎりました。
そうだ…。
タマネギはいわばカレーの核。
家で言ったら大黒柱。
もしここで、タマネギの調理に手を抜けば
確実にカレーの味は崩れてしまうでしょう。
そうなれば、タマネギで流した涙はどうなる?
あの涙を無駄にするのか…。
心の中でネガティブとポジティブがせめぎあい
葛藤に次ぐ葛藤が幾度となく繰り返されます。
精神力を大量に消費し
人体の臨界点が極限に達しようとした
…そのとき。
突如、出口が見えました。
タマネギから出る水の量が明らかに減っているんです。
と、同時に、あれだけサラサラだった
タマネギがかき混ぜているへらに付着し始めます。
形もどこか不安定になり、崩れ始めていました。
「ペースト状」という言葉が一気に
現実味を帯び始めます。
混ぜ始めてから45分…
初めて手ごたえを感じたその瞬間から
僕の心境にも変化が表れます。
ランナーズハイをご存知でしょうか。
走っている内にだんだん苦しみが快感に変わっていく、
っていう脳内作用です。
それに似たことが僕にも起きたのを感じました。
そう、タマネギと向かい合うことに充実感を覚え始めたのです。
しかし、この時、
水分を失ったタマネギは焦げ易くなり、
よりスピーディーなかき混ぜ作業が求められはじめる頃でもありました。
そうして物語はついに佳境を迎えます。 次回へ続く

































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